今回は、企業実習に行った利用者さんの体験を記事にしていただきました。
昨年度の実習ではありますが、とても細かなところまで書いていただいています。
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今回は、江別のとある牧場へ職業体験をしてきました。そこでは牛舎があり、その中に牛がたくさんいました。10月12日(月)から10月16日(金)の5日間の職業体験でした。職業体験ではその案内をしてくれた担当者やコノイロでの私の担当者に付き添っていただきました。
1日目は牧場の中の建物の大まかな特徴を説明され、働いている人たちが毎日行う仕事の一部を教えてもらいました。私が体験した建物は2か所で、その内の1か所は2階建てです。2階建ての方の建物では1階には20頭ほどの牛が左右に整列されていて、その左右の間に中央通路があり、その通路に向けて牛のお尻が向けられています。おそらく牛の乳を搾り取りやすくするための配置だと思われます。2階には牛が食べる草を敷き詰めた、見た目は丸い形のしたロールが置かれていました。2階では1階の中央通路を真下に向けられた穴があります。それはロールの草を解きとって、それを1階の牛に配布するために開けられた穴のようです。つまり、実際に体験した作業の1つ目は、2階から牛に与える草の一定分量を決め、それらを落とし、その落とされた草を牛に、全ての牛に与える量をなるべく同じ量にすることを意識して配布する作業でした。フォークの形をしたショベルの扱い方、力の入れ方、たくさんの草で絡まった塊は押して移動させるなど具体的な「コツ」を習いました。
また、同じ牛舎では、並べられた牛の場所だけではなく牢獄(牛を厚い鉄の網で囲み閉じ込めて飼育するための場所)も5か所ほど設置されており、その中で牛が食べる草や牛が寝るために使われる寝草と、牛の糞や草に付着した糞尿を仕分けする作業も行いました。後者の作業は上の段落で書いた作業の場所の牛もまた糞尿をするために同様の作業を行います。
もう1か所にも牛舎はあり、1階建てです。牛はもちろんのこと、全身が黒い毛に覆われた牛も、子どもの牛もいます(2階建ての方にもいます)。教わった作業は上で私が書いたものとほとんど同じものでした。
2日目以降から最終日の5日目まで、これまで私が書いた作業以外で教わったものはありません。今回のインターンシップでは、できるだけ多くの作業を体験することではなく「こういう仕事もあるんだなぁ」と職業を実感として得られた知見、一般的に言えば「経験」として、後の就職活動に活かすことを目的に参加しました。その結果得られた具体的なことは、牛舎での各作業の手順や独特な「コツ」といった、あくまでその仕事のみに有用なものに留まり「この仕事がしたい!」という強い動機は浮上しませんでした。しかし、この「コツ」は農業の仕事だけではなく、様々な仕事がある中での、その一つ一つの仕事の具体的な作業、その仕事のみに求められる特有の技術や伝統的な信念に含まれるものだと私は思います。農業の仕事にはその仕事の「コツ」があるように、飲食業や福祉業にも独特な「コツ」があるように…。
就職活動で「○○な仕事をしたい!」という具体的な目標のもと、いざ自分のそれと同じような仕事に就くことができたとしても、その企業と従業員とのなんらかのミスマッチが生じて辞めてしまうケースがよくあるようです。しかし、今回のインターンシップでは、実際の職場の様子や環境によって、今後の就職活動への一筋の展望が触発されました。インターンシップはまた、一般的にそういったミスマッチを事前に和らげることができるといわれていますが、私もそのように思います。それが私にとって、その仕事にとってだけ尊重されている「コツ」に、他の職業でも「コツ」があるのだろうと、感じました。
皆さんもインターンシップをしてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
利用者 A.Nさん
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